今回でカンボジアレポートも最終回です。
友人のリチャードがホテルを営んでいるKep(ケップ)というビーチリゾートに5日間の滞在していました。リチャードにはいろんなカフェバーに連れてってもらいました。仕事はほぼスタッフに任せてあるとのことで、彼には自由な時間も多いようで羨ましかったですが、カンボジア人スタッフを監視しすぎても彼らのモチベーションを落としてしまうし、ルーズにしすぎてもサービスの質が悪くなるということを、この数年の経験で本当によく把握したそうです。今の彼はビジネスを欲張りすぎず、誰とでもフランクかつユーモアたっぷりにコミュニケーションをとり、でも必要なときは本音をズバッとストレートに言う、本当に良いバランスでホテルをマネジメントをしているように見えました。
とある高台のホテルのバー。景色がよく、木々に囲まれて静かで気持ちの良いところでした。フレッシュココナッツジュースを。南部のココナッツジュースのほうが甘くておいしいと、タクシードライバーが言っていました。すごい甘いとかではないのですが、乾いた喉にちょうどよく、本当に美味しかった。こんなフルーツが自然と生息しているのだから、働く気もなくなるかもなぁと考えました。南国のフォレストファームは人間にとって楽園かもしれません(きっと野生動物にとっても)。
ここはメインのビーチから少し離れた高級ホテルのバー。この日は本当に夕日がきれいでした。リチャードが隣のテーブルでマリファナを吸い始めた若者たちを叱責し、しばらく険悪な空気が流れるも、最終的にサッカーの話を仲良くして終わった、というリチャードのコミュニケーションスキルの高さを再確認するような忘れがたい思い出ができました。
ケップのクラブマーケットのレストランで蟹料理と夕日を楽しみました。
ここケップは景色も雰囲気もいい所なのですが、いたるところにプラスチックゴミをポイ捨てしていて、カンボジア人たちは問題にしていないのか、あまりきれいにする気がないようです。プラゴミの惨状のせいか、以前よりも欧米の観光客は減っているとのこと。私達の普通の感覚からすれば、少し時間を割いてきれいにしたほうがリピーターも増えて儲かると考えます。しかし、今の自由を優先するカンボジア人はそうは考えられない、というのが長年住んでいるリチャードの見解です。つまり全く悪意はなく、価値観や見ている世界、時間軸の隔たりが大きいということです。平日でも学校に行っていない小さな子供もちらほら見かけました。
数年前、ドイツ人の若い男性がビーチクリーンのプロジェクトを進めていたそうですが、自治体や住民の理解や協力が得られず、2年間も努力したにも関わらず頓挫してしまったそうです。日本からも青年海外協力隊の人がIT関係の仕事でケップにも派遣されているそうですが、おそらく何も仕事をさせてもらえないだろう、とのこと。
中国の資本家による箱物建設などは活発で、経済がよくも悪くも大きく左右され、観光産業も不安定のようです。去年は中国人のオンラインカジノを解禁したので、ホテルに閉じこもってパソコンに向かっているような変な観光客が大量に押し寄せたそうです。今年はその法律が変わって、中国人の観光客は減ったとのこと。
未来を考えず今を楽することを優先しやすいカンボジア人の気質もあって、中国からの資本流入は大歓迎なので、ある種の好景気は続いてきたけれど、ただ土地とビジネスの権利を売りまくっているだけで、カンボジア人たちによる自主的な発展と言えない状況のようです。
ベトナムとの国境の街のハティエンへツーリングに連れてってもらいました。海岸沿いの道中は塩田が広がってキレイでした。ツバメの巣をつくるためのマンションみたいな(下手なホテルよりも立派な)建物が何軒もあり、結構遠くまで鳴き声が聞こえました。恐らくはベトナムに運んで加工してから中国へ売るのでしょう。
外国からの資金頼みのカンボジア経済です。様々な国が資金援助をしていますが、結局ほとんどが役人への賄賂や、派遣された職員のラグジュアリーな生活や、癒着する企業の仕事の斡旋に流れているだけのようです。一人の大統領が30年間も国のトップで居続ける異常な状態です。警察官も給料が安すぎるのもあって、一般人を取り締まるふりをして賄賂をもらうのが当たり前の日常です。政治家や役人が法や制度を無視することを容認した結果が、カンボジアの社会情勢や人々の常識(諦め)になってしまったような気がします。汚職疑惑まみれなのに任期延長できている日本の総理大臣と国民の関係と重なるようにも見えます。
他国との戦争だけでなく、自国民同士の内戦や大量虐殺など、武力戦争でも経済競争でも負け続けてきたカンボジアですが、平均年齢も24歳と若い国なので、フェアでオープンな政治と法律順守、安全で健康的な暮らしを見据えた社会保障制度、ソシーファームのように自然を大切にする文化や産業、まっとうに働いた人が評価される理念や常識が、未来に向かって育っていってほしいなぁと思います。
★今週の循環農法野菜セット
1.じゃがいも 北海道・秋葉さんの自然栽培さやあかね。粉質は中間、ほんのり甘い。
2.玉ねぎ 北海道、自然栽培の玉ねぎ。変な癖がなくスッキリ美味しいです。3.さつまいも シルクスイート。甘くてねっとり。素揚げしても美味しい。
4.大根 煮物に美味しい大根です。大蔵、宮重、源助のどれかです。
5.人参 千切りにして、ヨーグルトと塩と合わせる「ライタ」というインド料理が、カレーにかけるとメチャクチャ合います。辛いカレーに特に◎。
☆6.九条ねぎ 薬味や汁の具などに。葱も春には花をつけます。その直前がジューシーで一番美味しいと思います。
☆7.春菊or菜花 春らしい強い味。チヂミ、天ぷら、胡麻やナッツ和えも美味しい。
8.里芋 大きな親芋は煮崩れしにくいのでおでんにも美味しい。
9.菊イモ(or子持ち高菜) 生姜みたいな見た目です。皮を剥かずにたわしでよく洗って炒め物や汁の具に。
10.スナップエンドウ 甘くてポリポリ。汁の具や炒め物、塩ゆでに。
11,ディル 12.ミラノカブ 13.子持ち高菜 14.じゃがいも 15.ビーツ 16.スナップエンドウ 17.レタス
☆は今日オススメ野菜。Sセットは6品、Mセット7品、Lセット10品、Kセット17品です。
野菜は 新聞+ビニル袋(野菜用の特殊高級ビニルなので、空気が出入りしないよう、け口を絞って密閉)で包み、冷蔵保存してください。