農場主が仕事兼旅行でカンボジアに行ってきました。レポートその2です。友人のリチャードが営んでいるケップ州のホテルに移動。プノンペンから南へタクシーで4時間、バスだと6時間くらいのビーチリゾートです。彼のホテルがとても素敵だったので、いつも彼に可愛がってもらっているうちの息子にも見せてあげたいな、なんて思いました。
翌日、ケップの山間部にある、お取り引きをしているソシーさんの胡椒農園に行ってきました。オーナーのソシー夫妻は2013年にこの土地を購入し、胡椒の生産拡大とともに、少しずつ店舗や居住空間の利便性を、サスティナブルな方向を広げてきました。電力は全てソーラーパネルで賄っています。水も60m掘った井戸水を利用しています。
ご主人はドイツ人で御年85歳で、一言で言えば天才的な方でした。5ヶ国語を話すことができるのですが、とても美しい日本語を話されるので本当に驚きました。1960年代から10年ほど、日本にお住まいだったそうです。カンボジアで初めて国際電話を使ってインターネット接続を始めたので、カンボジアのインターネットの父として国から表彰されたそうです。
汚職を追求する国際的なNGOの取締役として、現在もご活躍中とのことで、今年の6月には韓国にその仕事で出かけるそうです。この胡椒農園の仕事は、自分の人生の最後のプロジェクトだと思っていると、環境問題や自然エネルギーのことを話しながら説明してくださいました。お孫さんたちがHELLOとゲストに話しかけながら元気に走り回っているアットホームな農園です。
ソシーさんたちの胡椒は完全オーガニックです。農薬や殺虫剤、除草剤は一切使いません。肥料は雨季がはじまる頃に、株間に穴を掘って、牛糞とコウモリの糞(地元の人が洞窟から集めたもの)を入れています。また自然農薬として、とある二種類の木の葉っぱを刻んでバケツに入れて水に浸けておくと、発酵分解に伴うガスが発生するので、そのガスを害虫防除として利用するそうです。
胡椒の支柱の上部にワイヤーを張り、切った竹をのせて、日陰を作っています。胡椒の木も強すぎる日差しや高すぎる気温は好みません。だいたい1本の木から1.3kgの胡椒が収穫できるそうです。農薬や化学肥料を使う栽培であればもっと沢山とれるようです。苗は挿し木をして増やします。土地を購入した当初は300本、今は800本もの胡椒の木が育っています。挿し木をして増やすそうです。多年生なので、樹齢が30年とかのもあるそうです。潅水は肥料用に掘った穴に、毎日1回与えます。今は乾季なので全然雨が降らないからです。ダウジングをして見当をつけてから井戸を60m掘り、現在利用しているそうです。胡椒が1ha、マンゴーも1ha、作業場や住居や店舗レストランなどに1haの土地があります。胡椒の乾燥には太陽光を活かした温室を使います。晴天なら4日くらいで乾燥が終わります。
いつか自分もこんな風に、さまざまな果樹やその他の動植物や人々に溢れる、本当にサスティナブルな農園が作れたらいいなと思いました。そんなソシーファームの胡椒をたくさん分けてもらってきました。近日中にパックして販売再開します。