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憲法9条では国は守れないのか

by 豆野 仁昭
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「憲法9条では国は守れない」と言う人々がいます。確かにその通りだと思います。

例えばマフィアやヤクザが私達の生活地域に乗り込んできて、「今日からワシらがおまえらのボスや、きちっとミカジメ料払えやコラー」なんて言ってきたとき、誰も抵抗しなかったら、マフィアやヤクザの言いなりになるしかありません。
国際関係でも同様で、もしA国が私達の国に乗り込んできて、「この土地は私達のものだ、私達の法を適用し、税金を徴収する」なんて言ってきたとき、誰も抵抗しなかったら、その土地はA国のものになります。

暴力をちらつかせて、法律を無視した理不尽な要求をしてくる人々が来たときには、私達は抵抗しなければ権利を奪われます。
憲法9条は他国への不可侵と戦争や核兵器と関わらないという国の誓いにすぎません。しかし憲法9条は敗戦から学んだ大切な誓いです。

「憲法とは国家権力が過去に犯した失敗リスト。失敗をリスト化し禁止、これ以上繰り返さないようにするもの。過去に国家は戦争・人権侵害・独裁、3つの失敗を繰り返した。そんなことがないよう、人権を保障したり独裁を防ぐルールを盛り込んでおく、それが憲法」木村草太・東京都立大学教授の弁です。

法律を無視するならず者から不当に権利をおびやかされたときには、国民は暴力や脅しに屈することなく、法の下の平和を守るために戦う覚悟が必要だと考えます。最悪、自らの手を汚しても、血を流してでも・・・。
国民が納めた税金から給料を払っているからといって、国防や治安維持を自衛隊や警察に丸投げせず、また公務員がルールを守らない場合は、国民がそれを指摘し、改善しなければなりません。

香港では遂に「香港国家安全維持法」が可決・施行されました。中国法に基づく反政府的な発言や行動に対する厳罰を恐れ、デモ団体の解散やSNSの投稿削除が相次いでいるようです。一元的に中国政府のやり方を批判的に見るのは誤りかもしれませんが、私はどの国どの地域でも言論や集会、デモや信仰の自由は保障されるべきだと思います。(早速デモを行った人々が逮捕されてしまったそうです)

汚職まみれの自民党の改憲草案で気になっているのは、
■前文(一新。「…政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し…」も削除)
■1条(「天皇は日本国の象徴」→「元首であり…象徴」に更改)
■9条(第2項を新設。明記されていなかった自衛隊を「内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍」とし、活動範囲などを法律で決定できるようにする。≒「法律の留保」という明治憲法同様の危険なやり方。)
■12条(憲法が保障する自由と権利は「常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。 」→「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」に更改)
■21条(「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。」以下新設。「 2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。」 )
■98条(新設。首相が「緊急事態」と宣言したときに、「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。」「宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる」。宣言の効力は100日間だが、国会の過半数の承認で延長できる)
■100条(憲法改正が容易になる。衆参議2/3→1/2、国民投票1/2→有効投票の1/2)

この9条と98条をセットにすれば、首相が独裁軍事政権を樹立することも可能になります。
コロナのときも「現行法が不十分だから対策ができない」みたいなことを現内閣メンバーが発言していましたが、そもそも大臣としての能力の不足だけでなく、困っている国民を本気で救う意志がないことや、改憲したいだけの意図を感じたのは私だけではないはずです。

非常時だからといって、特定の役職に権力を集中させることの危うさは、歴史が示しています。みんなが冷静に職務を判断し実行できる一般法の整備と解釈を深めていくほうが、先決であり安全な道だと思います。
そのためには私達国民全員が国家の主体であるという自覚が大切だと思います。たとえ時間がかかっても、みんなが考えて議論すれば、意見は吟味され、私達も賢くなり、少なくとも現在より汚職や愚かな政策は減るはずです。

憲法改正そのものに反対するわけではありませんが、中身は十分に吟味されなければ、いずれ私達自身の首が絞められることを覚悟しなければならないと思います。最悪の事態にまで陥らないよう、地獄のような苦しみや拷問にまみれた歴史を繰り返さないよう、覚悟を携えて、共に学び、考え、行動していきましょう。

以上、現在の自分の考えのまとめてみたので、一意見として参考になればと思います。


日本国憲法前文

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。


THE CONSTITUTION OF JAPAN

We,the Japanese people,acting through our duly elected representative in the National Diet,determined that we shall secure for ourselves and our posterity the fruits of peaceful cooperation with all nations and the blessings of liberty throughout this land, and resolved that never again shall we be visited with the horrors of war through the action of government, do proclaim that sovereign power resides with the people and do firmly establish this Constitution. Government is a sacred trust of the people, the authority for which is derived from the people, the powers of which are exercised by the representatives of the people, and the benefits of which are enjoyed by the people. This is a universal principle of mankind upon which this Constitution is founded. We reject and revoke all constitutions, laws, ordinances, and rescripts in conflict herewith.

We, the Japanese people, desire peace for all time and are deeply conscious of the high ideals controlling human relationship, and we have determined to preserve our security and existence, trusting in the justice and faith of the peace-loving peoples of the world. We desire to occupy an honored place in an international society striving for the preservation of peace, and the banishment of tyranny and slavery, oppression and intolerance for all time from the earth. We recognize that all peoples of the world have the right to live in the peace, free from fear and want.

We believe that no nation is responsible to itself alone, but that laws of potential morality are universal; and that obedience to such laws is incumbent upon all nations who would sustain their own sovereignty and justify their sovereign relationship with other nations.

We, the Japanese people, pledge our national honor to accomplish these high ideals and purposes with all our resources.

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