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鶏について考える

by 豆野 仁昭
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<我が家の鶏・卵について>

6年ほど前から平飼いで鶏を飼っており、餌は米ぬか、雑草、野菜くず、牡蠣殻、残飯など、身近なところで賄える食べ物で育てています。鶏種はフランス軍鶏、名古屋コーチン、ゴトウもみじ、ホシノブラックを自家繁殖・交雑したオリジナルの鶏種です。近隣に師匠と呼べる人はおらず、本やインターネットの情報を見て、たくさん失敗しながら独学で学んできました。まだまだ道半ばですが、これまで学んだことを少し書いてみたいと思います。

トサカが大きくて、尾羽が大きいのがオスです。生後半年くらい経たないと簡単には見分けがつきません。自家繁殖なのでオスとメスが約半々で生まれてきます。鶏の世界ではオスが多すぎると、体の弱いメスが交尾を断れず、たくさんのオスと交尾をすることになり、体力を消耗しすぎてしまいます。平飼いといえど柵という囲まれた場所で逃げ切るにも限度があるので、オスの数を調整することも必要だと考えています。

オスも半年を過ぎると交尾を求めたり、「コケコッコー!」と鳴くようになります。鳴き声には縄張りを示したり、求愛の意味があると言われています。その頃には体重も2-3kgぐらいになるので、数匹の繁殖用の雄鶏を選んで残し、その他の雄鶏は少しずつ肉用に屠畜しています。

昼間は防鳥ネットに囲まれた運動場で暮らし、地面を突いて虫を探したり、砂浴びをしたり、ときにはケンカをしたり、伸び伸びと自由に暮らしています。夜は野生動物から身を守るため、雨にも濡れない鶏小屋の中で寝ます。高い所で寝ようとするのは、夜は目が見えない鳥類が、高い所に身をひそめ、外敵から身を守る手段だと言われます。

<一般的な鶏肉・卵について>

一般的に鶏肉として出回っているものは、ブロイラーと総称して呼ばれる肉用鶏で、平飼いで育てられていますが、屋内で飼育密度も16-19羽/㎡とせまく、生後40日~60日ほどで出荷されます。肉用に特化された太りやすい鶏種であり、運動を制限し食料を豊富に与え、電気照明によって日射時間を長くし摂食活動を増やし、成長ホルモンを与えることなどで、スピード出荷が可能となっています。経済効率優先の飼育環境なので、病気のリスクも高くなるため、抗生物質やワクチンなどを使用せざるを得ません。2015~17年度に実施された厚生労働省研究班の調査では、国産の鶏肉の59%から抗生物質耐性菌が検出されたそうです。あとたまに鶏肉の塩素臭を感じる人もいますが、それは屠畜解体時に殺菌のために次亜塩素酸ナトリウムを入れた水を使用しているからだそうです。

一般的な卵用の鶏は、生後すぐヒナ雌雄鑑別のあとオスは殺処分され、メスは生後120日くらいまで平場で育てたあとで、バタリーケージと呼ばれる1羽当たり約400㎠(20cm×20cm)の面積のワイヤーの檻の中に移されます。ワイヤーの隙間からエサや水を摂取し、傾斜したワイヤーの上で産まれた卵は転がって、汚れないように採卵されます。生後150日くらいで卵を産み始め、1-2年(経済効率が落ちるまで)飼育されます。巣で産む、地面をクチバシで突ついたり、爪で掘ったり、砂浴びするなどができないので、運動不足や欲求不満になるため、体力低下やストレスで疾病やケガのリスクが高くなります。肉用鶏と同様、抗生物質やワクチンに依存しなければなりません。

 

こういうことを考えると一般の鶏肉や卵は食べたくなくなるかもしれませんが、短期的な目では人体に甚大な影響はでないのでは、と思います。ただし、長期的な目で見ると健康リスク(アレルギー化、抗生物質耐性菌、化学物質による未知の悪影響など)について考慮すべきでは、と思います。人間のことだけでなく、鶏たちのアニマルウェルフェアについても、消費者も生産者も考えて行動していくべきではないか、と思います。近年では社会全体で二極対立を産むような難しい問題が多々ありますが、完璧を求めることは不可能(無意味)なので、(尊敬する先輩農家の言葉を借りれば)「まずは知ること」が大事なのかなと思っています。

うちの鶏で作った海南ライス。ご飯はもち米を半分ブレンドし、骨付きもも肉と一緒に炊いてあります。もち米を最近よく食べていますが、美味しいです。うるち米に慣れていますが、違和感も特にありません。

★今週の循環農法野菜セット
1.黒田五寸人参 サラダでも美味しい。油で炒めるとβカロチンの吸収がよくなります。ぬか漬けにハマっており、ほぼ毎日食べています。オーブン焼きも美味でした。
2.春菊 桜エビと春菊のチヂミがお気に入りです。チーズや餅をいれる変化球もgood。でも6歳の息子は食べません( ;∀;)春菊ペーストのパスタや天ぷらも食べやすい。
☆3.白ネギ 固定種の吉倉ネギという1本ネギです。しっかり火を通すとジューシーで甘くなります。緑の部分は薬味としてはいまいちですが炒め物やカレーに入れると美味
4.さつまいも ベニハルカ。蒸してスイーツやサラダ、スープ、素揚げ、天ぷら、サンドウィッチの具、ニョッキなどに。
5.赤からし菜 サラダやさっと炒めてもgood。スープに浮かべてもきれいです。
6.大蔵大根 台風被害があり、今年は小さ目です。煮物が美味しい肉質緻密な大根です。レシピに書いた大根カレーもおすすめです。オーブン焼きも美味でした。
7.マスタードリーフ 辛味が少しあるので生かしてみてください。まだとても柔らかいので、サラダやさっと炒めものや茹でても◎。塩漬けでも◎
8.じゃがいも 北海道自然栽培の男爵。ほっくり。コロッケやポテサラに。
9.菜花(or長崎白菜) 塩ゆでや炒め物、スープの具に。
10.チンゲン菜(or水菜) 上の葉に虫食いが多いですが柔らかく味は美味しいです!
11.カブ菜(野沢菜+カブ) 12,玉ねぎ 13.菊芋 14.長崎白菜 15.ルッコラ
☆は今日オススメ野菜。Sセットは6品、Mセット7品、Lセット10品、Kセット15品です。野菜は新聞+ビニル袋(野菜用の特殊高級ビニルなので、空気が出入りしないよう、開け口を絞って密閉)で包み、冷蔵保存してください。さつまいもは常温10℃以上で保存。農薬を使用しないため虫が混入することがあります。よく洗ってから料理してください。

宜しくお願いいたします。

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