屍者の帝国 伊藤計劃×円城塔

屍者の帝国:伊藤計劃さんの絶筆、円城塔さんが書き継ぐ 作風の差超え、意識の根源問う
http://mainichi.jp/feature/news/20120906dde018040082000c.html

円城塔インタビュー詳報:故・伊藤計劃との共著「屍者の帝国」を完成させて
http://mainichi.jp/feature/news/20120906mog00m040001000c.html

インタビューを読んで、買ってしまいました。以前から伊藤計劃さんの本が好きで、「ハーモニー」を最初に読んで大きな衝撃と影響を受けました。

ハーモニーは完全に病をコントロールできるという時代設定で、全国民の身体に監視ウィルスを打ち込み、何か異常があればすぐ薬剤が提供される、痛みのない社会で、人は何を感じ、求めていくのかという話でした。

伊藤計劃自身がハーモニーの執筆中も、病と闘い続けてながら病院でも執筆していたのですが、自身が書いた小説の中で、主人公たちが痛みのないユートピアに絶望するという、 なんだかとても重い、伊藤計劃にしか書けない世界観がそこにありました。

ハーモニーが遺作となった伊藤計劃ですが、書きかけの遺稿として「屍者の帝国」の設定が遺されていました。死後、その続きを依頼されたのが、氏の友人であった円城塔さんでした。最近芥川賞も受賞された注目の作家です。

読んでみてちょっと冒険譚っぽい感じみたいになってたのが、伊藤計劃の作品らしくなくて、気になりました。もう少し1人1人の主要人物が持つ精神の強さと危うさ、焦りや衝動、悲しみ、心の声を深く掘り下げてほしかったと思いました。 死者の復活というテーマ自体はとても面白いと思いましたし、大きなストーリーの破綻もなく、楽しんで読めました。

1890円という値段はちょっと高かったかなという気がしますが、満足です。 伊藤計劃がフランケンシュタインの技術で復活したと思えるファンならぜひ読んでみる価値ありだと思います。

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